コンポストを思う
私は素焼き鉢+水苔を基本で使い続け、他に気になる材料を見つけては試作栽培をしました。
20年以上も昔の話ですが最初目をつけたのは椎茸の栽培後の廃木でそれを小さく切断、それで植えると結構良くできました。
カトレヤ、胡蝶蘭共に成績が良い物に広葉樹のチップダスト(チップ製造時の小木片)があります。
1年半ぐらいで腐敗しますが根腐れは起きません。
ただコガネムシ、カブトムシが卵を産み付けることがあります。
糞が出てくるのでわかりますが、気が付かないと根もごっそり無くなります。
良い材料を求めてチップ工場を訪ね歩き最後に得た物はブナ材、友人にダンプカーを拝借して延々片道5時間道中、でも価値はありました。
杉皮について
近くの製材工場で杉皮を拾ってきて粉砕して試験使用、良くでき、耐久力もありました。
偶然通りすがりの床柱専門工場に杉皮バークが山積みされているではないか、早速ダンプカーの出番。
粉砕する手間が無くなり極めて安価で重宝でした。
それから少しして「クリプトモス」が発売されました。
違いは浸水処理ぐらい、杉、檜の皮と表示されているので檜も入っているのかな?
着生蘭は杉板では良く根が回り、良く成長しますが檜板は良くありません。
杉板は甘い香りがします。
檜板はツンとした刺激臭がします。そのような香りの板は使用しない。
杉皮単用ではカトレヤは問題ないが胡蝶蘭は生育不良になります。
水苔に2〜3割混合して使用する方が居られます。
当園では胡蝶蘭に一時期混合使用しましたが配合のバラツキが出て均一性がとれなく水苔単用に戻しました。
病気は杉皮入が少ないようです。
カトレヤの栽培について
当園では前記のとうり10年以上前から杉皮単用で栽培しています。
注意点は乾かし過ぎないことです。植え替えは3年を目安にしています。
肥料は自動灌水でOK-F10(15−15−15)5000倍、年2回ほど発酵肥料の置き肥をします。
他材料の試作と私の偏見による不採用の理由
籾殻燻炭...風で飛散する。ベンチの鋼材が腐植する。
ニュージランド バーク...重い。
水苔...植替に不便、耐久力がない。
ヤシ殻...加湿になる。
コルクチップ...栄養不足になる。
ロックウール...良くできるが素手で触るとチクチクする、吸い込むとどうか?
軽石...重い。
パーライト...ザラザラして根が傷つきやすい、手も荒れる。
木炭...中和すると良くできるが、最初の黒いホコリには閉口、谷川で洗って使用した時もありました。
広葉樹チップ...耐久力不足、根の固定が出来ない。
胡蝶蘭の栽培について
胡蝶蘭は最終に寄植の作業があります、作業がやりやすいのが水苔植です。
素焼き鉢では灌水→乾燥のサイクルが安定して作りやすい。
肥料保持が良い、逆にやりすぎた時は排出が困難で致命的です。
生乾きが続くと雑菌が繁殖し病気が多発します。
胡蝶蘭でも上記の材料は全て使えます。
ただ営利栽培となると寄植があり、根がしっかりコンポストに絡みつくことが必要です。
お客様の手に渡った時に特別な管理がいるのでも困ります。
このような事から現在は水苔植が普及しています。
水苔にも色々あり、価格も大幅に違います。
安い水苔で栽培された胡蝶蘭は継続して栽培することはまず無理です。
水苔の最大欠点は耐久力の不足です。
品質の揃った蘭を生産するには水苔では越えられない壁があるような気がします。
作りやすいのは水苔、良いものが出来るのはバーク栽培と言われます。
素焼き鉢はコンポストの一部として保水、肥料の保持、通気、根の固定など重要な利点がある反面、
リゾクトニヤ、フザリューム等の土壌病原菌に侵入されやすい。
いずれの材料も長所、短所があり、長所を生かして短所を補う栽培方法を考えていく必要があります。
最後に
政治も構造改革とさわいでいますが、不況の世、コンポストも洗い直す時期がきたのではないでしょうか。
自分の目的にマッチしたコンポストを考える必要があります。
海外と同じ事をしていたのでは結果は歴然としています。
趣味で栽培でも同じです。